味覚は、嗅覚と共に食物を判別するのに欠かせない感覚です。自分にとって栄養源となる有効な食物か、
或いは生存を脅かされる毒物か、動物の多くは嗅覚と味覚で判断しています。糖分を「甘い」と感じ、「もっと
食べたい」と思うのは、糖分がエネルギー源として有用であるからに他なりません。逆に、腐敗した(くさった)
ものの匂いに吐き気を催すのは、毒をもった食物から自分を守るのに役立っているといえます。
 ヒトは知能が発達して手が器用に使える能力を獲得したため、他の動物に比べてこれらの感覚はずっと
衰えてしまいましたが、それでも最も主要な感覚の中に数えられるものです。
 「味覚」をヒトが感じるのはどういう仕組みによるのでしょうか?これが今月のテーマです。
  舌の表面は普通はザラザラしており、鏡でよく見てみると
白い毛のようなもの(多少色がついている場合あり)が観察
できます。これは舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かい突起
でいくつか種類がありますが、その表面に多く存在するのが
味蕾(みらい)とよばれる味覚を感じる器官です。細長い味覚
細胞が集まって花の蕾(つぼみ)型の器官を形成しています
が、その大きさは0.1mmにも満たないものです。これが全て
味覚の出発点になります。この味蕾舌の表面に約5000
さらに口蓋(お口の中の天井部分)やノドの奥にも約2500個
あるといわれています。
舌の表面の拡大図(→) 舌乳頭という細かい突起で覆われており、 乳頭の側面には味蕾という味覚の受容器 (感じる器官)がある。
味蕾の拡大図 細長い味覚細胞が集まってできています。 10分の1ミリ以下の大きさです。
味覚を感じる過程を順を追っていくと
以下のようになります。
食物の中の”味”物質が「味蕾」を刺激 「味覚細胞」が味覚刺激を電気信号 に変換 、「味覚神経」に伝える 延髄・間脳の中継所を経由 大脳の「側頭葉味覚中枢」 最終的に味覚を認識 このような複雑な過程を一瞬のうちに 経ていることになります。
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