唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれていて、デンプンを分解する
作用があることはご存知の方が多いと思います。でもそれは唾液の役割の
ほんの一部でしかありません。その他の役割をいくつかご紹介します。
 *洗浄作用…先月号でお話しましたように、一日に分泌される唾液の量
は1.5リットルに達します。それだけの量でお口の中は常に洗浄されている
訳です。このことは虫歯や歯周病の原因となる細菌の繁殖を抑制するのに
とても役立ちます。
 *潤滑作用…お口の中が唾液で潤っているおかげで舌やほほの内側
(頬粘膜)のすべりが良くなり、発音や発声をスムーズにします。
 *溶媒(ようばい)作用…あじ(味覚)は舌の表面に多数ある味蕾(みらい)
という器官で感じ取りますが、食物が唾液に溶け込むことによって味覚を感
じやすくなります。
 *嚥下促進…食物を飲み込む(嚥下)するためには、かみ砕いた食物の
柔らかい塊(食塊…しょくかい)をお口の中で作り出す必要がありますが、
これは唾液と食物が混ざり合うことではじめて可能なことです。
  唾液にはさらに驚くべき効能があります。
 パロチン…唾液に含まれるホルモンで、別名「若返
りホルモン」と呼ばれています。筋肉や内臓、骨、歯
などの生育発育が盛んになり、いつまでも若さを保ち
ます。健康食品として有名な「ローヤルゼリー」に多く
含まれる成分です。
 ラクトフェリン…哺乳動物の乳(ミルク)に多く含
まれるタンパク質の一種類ですが、唾液にも含まれて
います。胃潰瘍の原因といわれるピロリ菌や、肝硬
変と肝臓ガンの原因になるC型肝炎ウイルスの増殖
を抑えたり、整腸作用、貧血を改善する作用など非常
に多くの作用がある物質です。(加熱処理された市販の
牛乳からは摂取不可能)
 ラクトペルオキシダーゼ…唾液に含まれる
この酵素は、なんと発ガン物質を抑制する作用があり
ます。この効果は同志社大・西岡一教授の実験によって
確認されています。
(左グラフ:発ガン物質に唾液を作用させると発ガン
性が25%から5%へと激減
 唾液には驚くべき効能があることがおわかり頂けたと思います。来月は、この効能を日常生活に最大限に
生かしていくにはどうすれば良いかをお話したいと思います。

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