食物をかみ砕いて飲み込む時に、唾液(だえき)がお口に中に出てきて食物と混ざり合い、消化を助ける
ことは皆さんご存知と思います。でも、唾液はどこからくるのでしょうか?
 今月から唾液の大事な作用などについて解説していきます。

唾液の大部分がつくられるのは、三大唾液腺と呼ばれる
耳下腺、顎下腺、舌下腺です。
 耳下腺…その名のとおり、耳の下のあたりにあります。
俗に「おたふくかぜ」と呼ばれるのは、正式な病名は「流行
性耳下腺炎」といい、ムンプスウイルスというウイルス
(ビールス)が原因でおこる病気です。粘度の低い、サラサラ
した唾液を分泌します。

 顎下腺…あごの後方(俗にいう「えら」)の下の内側あたり
にあります。顎下腺管という管が舌の前方の付け根まで伸び
ており、そこからやや粘度の高い唾液を出します。このために
他の唾液腺よりも結石(胆石や尿管結石が有名ですね)が
できやすく手術が必要になる場合があり、唾石症(だせき
しょう)とよばれています。

 舌下腺…舌の下側の比較的浅いところにある唾液腺。粘り
気のある唾液とさらさらした唾液の両方を分泌します。

 しかし、唾液腺はこの3つだけではありません。くちびるや
頬の内側、お口の中の天井部分(口蓋=こうがい)などの
粘膜のすぐ下にも小さな唾液腺(小唾液腺)が無数にあって
唾液を分泌しています

顎下腺の唾石症
下あごの骨の右下に円形の
白い影(矢印)がみえます
長崎大学歯科放射線科 口腔・顎顔面画像診断 ティーチングファイル より一部改変して引用
 皆さん、ご自分の唾液が一日にどのくらい分泌されるか
お分かりでしょうか?
なんと1日に1500ccもの唾液が作られているのです。
ヒトはこの唾液を食物と一緒に、あるいは唾液だけで
飲み込んでいることになります。
 唾液の役割の第一は「食物を飲み込みやすくする」
ことですが、それ以外にも様々な役割があります。
たとえば、唾液腺の炎症やある種の病気(シェーグ
レン症候群など)で唾液の分泌が減少すると、
様々な障害がお口の中に現れてきます。
 次回からは唾液の多様な役割について解説して
いくことにします

唾石症のCT (あごの下の部分の輪切り画像) 矢印の部位に骨と同程度の 白い影がみられます. 同じく長崎大学歯科放射線科 口腔・顎顔面画像診断ティーチング ファイルより引用
手術で摘出された唾石 20mm以上ある結石(唾石)です。 唾液腺の炎症や痛みの原因になります。 大きくなると唾液腺と一緒に摘出が必要です
              
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