問診表の最後には、今現在お口の中や周辺で調子の良くないところ、つまり今回あなたが歯科を
受診した理由、もっとも治療をして欲しい事柄(主訴といいます)を書き込むようになっています。
 一般的には「歯が痛い」 「歯肉が痛い」 「義歯が破損した」などが多いと思いますが、それ
らに加えてもしもその他の症状があれば忘れずに記入して下さい。頻度はかなり低いのですが、
思わぬ病気が隠れている場合がありますので細心の注意が必要です
 歯が痛い、歯が動く
 このような症状は虫歯や歯周病の代表的なものですが、
歯肉ガンや上顎洞ガンの初期の症状でも
あります。頻度としては少ないですが生命にかかわる
病気なので鑑別診断はとても重要です。
 口内炎ができた
 ただの口内炎(アフタ)や、義歯があたることによる
褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう)であることが
圧倒的に多いのですが、これも歯肉ガンや舌ガンの
可能性があります。その他にも手足口病やヘルペスなど
ウイルスが原因でも口内炎が生じます。またベーチェッ
ト病、全身性エリテマトーデス(SLE)などの難病の主な
症状の一つに再発性の口内炎があります。また近年再び
増加している結核でも病状が進行すると口内炎(結核性
潰瘍)を生じることがあります。
 口が開かない
 これも近年増加している顎関節症の代表的な症状の
一つですが、顎関節そのものや、その周囲の腫瘍である
場合がまれにあります。
また、「口が開かない」というのは、破傷風の初期症状
であるのはよく知られています。30歳代以下の方は
ワクチンの接種を受けているのでほぼ心配ありませんが、
年配の方は注意が必要です。

顎関節は耳たぶの前方。 上顎洞は「蓄膿症」になること で知られている。
破傷風:
 破傷風菌の産生する破傷風毒素の中毒によって
おこる中枢神経系疾患。
 外傷など傷口よりの破傷風菌の感染が原因で、
汚染された土壌や器具を通じ傷口より侵入。 発生地
は世界各地、1年間に約37万人が死亡(1999年)。
日本でも毎年患者が報告されている。潜伏期は4〜
12日。初期にはあごの関節の固い感じ。 病状進行に
より痛みを伴う激しい筋のけいれん。致死率も高い。
それだけに早期診断・早期治療が不可欠だが、一方、
トキソイド注射により完全に予防可能。
 今月まで問診表をめぐる話題をお話してきました。
問診表は患者さんの治療を進めるうえでの「情報の宝庫」
だといえますね。何気なく記入されている方もおられる
かも知れませんが、とても大事なものだということが
お解り頂けたと思います。ご面倒かと思いますが正確な
ご記入を宜しくお願い申し上げます。

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