腎臓は左右一対の臓器で、その最も大事な働きは血液をろ過して体内に不必要な老廃物を取り除
くことです。それによって体内の水分の量、電解質、酸性度(pH)などを一定に保っています。
糸球体腎炎やネフローゼ症候群などの腎臓疾患でこの機能に問題が生じると、全身的に様々な障害
が現れて歯科治療の際に注意が必要となります。

  糸球体腎炎などの腎臓疾患があると、それが原因となって血圧
が上昇します。また高血圧によって腎臓の機能は低下します。
このため腎臓の機能に問題の有る方はかなりの高率で高血圧であ
る場合が多いのです。高血圧の場合には今回の「問診表シリーズ」
の最初、

No.62 問診表は大事です…その1 どうして必要なの? 」

でお話したとおり、歯の治療は血圧が上昇しないよう充分に注意
をはらって進める必要があります。
腎臓の断面図
腎動脈から入った血液がこし取られ て尿管を経て膀胱にたまる。きれい になった血液は腎静脈に戻る。 (副腎は描かれていない)
 腎障害がある場合、治療のために副腎皮質ホルモン(ステロイドを長期にわたって比較的多量
に使用している場合があります。このホルモンは本来副腎で作られますが、治療のために薬として
使用していると体内で作る必要が無いため副腎の機能は低下しています。このような場合、ステロ
イド剤の増量などの適切な準備を怠ると、治療のストレスによって副腎皮質ホルモンが不足し
(急性副腎不全)、場合によっては生命の危険が生じることがあります。
 腎機能障害があると、傷の治りが悪い(創傷治癒不全)、細菌感染しやすい(易感染性)状態が
生じます。このため抜歯などの外科治療にあたっては適切な準備(抗生物質の術前からの使用など)
と慎重、的確な処置が必要になります。
 歯科治療で最も広く使われている抗生物質(ペニシリン系、セフェム系)は腎機能にある程度の
影響を与えます。絶対に使用できない種類(アミノ配糖体)もあります。消炎鎮痛剤でも使用不可
能なもの(フェナセチン)があります。
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