前回のまでにお話したような検査をして全体の状況をつかんた後、顎関節症の治療が始まります。
現在、とても多様な治療法が行われていますが、ここでは2号にわたって、比較的多く行われてい
るものをご紹介します。

大多数の場合で最初に行う治療法です。上下の歯の間に着脱可能
な樹脂製のマウスピース状の治療具(スプリント)をはめて
噛み合わせの調節をします。
色々なタイプがあり、使用時間も1日7〜8時間から常時使用まで
症状によって増減します。
歯を削ったりして噛み合わせを調節するのと違い、ほとんどの場合
元の状態に戻せる安全な治療法です。このスプリント療法と、後で
お話しする理学療法、薬物療法を同時に行うだけで症状が改善する
患者さんが少なからずおられます。
 使用期間は数ヶ月以上にわたる場合が有りますが、長期にわたって
症状が改善しない場合には他の治療法を検討する必要があります。

樹脂製スプリント アクリル樹脂製。下あごの歯の かみ合わせの部分(咬合面)を おおっている。お口の中でかみ 合わせをさらに調節します

 顎関節や関係する筋肉、靭帯(すじ)に刺激を与えることで症状の改善をはかる治療法です。
 温湿布、冷湿布 
じっとしていても関節が痛いような場合には冷湿布が効果的ですが、お口を開いたときの痛みには
温湿布で筋肉などをほぐしてやると症状が軽減します。蒸しタオルが手軽で良いでしょう。
 マッサージ 
症状のある場所を指先でゆっくりとマッサージして下さい。入浴時に行うとより一層効果的です。
 開口訓練 
 診断が進んで状態がはっきりしてから、必要があれば開口訓練を行います。いわばリハビリです。
担当の先生の指示に従って進めて下さい。御自分の判断で行うと、かえって症状を悪化させる
場合があるので注意して下さい。

 この他にも医療用レーザーを用いて筋肉等の痛みやこわばりを取り除く方法、鍼(はり)
などを使って痛みを和らげる東洋医学的方法などがあります。


 内服薬は急性期の痛みを和らげるのに用いられます。消炎鎮痛剤や筋弛緩剤(筋肉のこわばりを
取り除く)などが用いられますが、どちらかというと補助的な治療法で、他の治療と併用されます。
 場合により、顎関節の中に直接薬剤を注入したり、関節内部を洗浄したりする治療法がありますが、
これらは大学病院や総合病院の口腔外科等で多く行われています



 顎関節症の治療法はとても多くの種類があることがおわかり頂けたと
思います。来月は「治療法」の続きで、噛み合わせ治療、外科的治療、
心身医学的治療などを取り上げます。