顎関節症といっても、その病態は本当に十人十色で、日常生活をちょっと注意したり、かみ合わせ
をほんの僅か調節しただけで全快するものから心身医学的アプローチを必要とする場合まで様々です。
それらの病態を鑑別診断するための検査を簡単にご紹介します。

  現在、顎関節症の原因は不明の部分がかなりあります。しかし、前号
「顎関節症〜日常生活の注意点」でも触れたように、顎関節症の「危険因子」
はいくつか明らかになっていますので、これまでに当てはまるようなことが
なかったかどうか患者さんにおききします。質問表を使って患者さんに記入
していただく場合もあります。
 これはその患者さんの顎関節症の原因を探るのに大事な作業で、その後の
治療方針の決定にも少なからず影響します。

 触診(しょくしん)→さわって調べる診査方法:
 耳の前方、顎関節の上から手をあててお口を開閉してもらうと、顎関節
の動きがわかります。動く量に異常はないか、左右で大きな差がないか、
押してみて痛みがないかなどを診査します。
また関節から音がする場合も触診で触れることが出来ます。同時にお口の
開く量や、開いたときの痛みの有無も調べておきます。
 画像診断:
 顎関節症のはなし その1 どこにあるの? で触れたように、顎関節
は骨、関節円板などからなっています。それらの状態を調べるために
X線撮影を行います。
更に詳しい検査が必要な場合には造影撮影(ぞうえいさつえい)などを
設備のある大学病院等で行いますが、近年はMRI(核磁気共鳴画像)
も普及しつつあります。  
顎関節の造影撮影 大がかりな設備が 必要なため大学病院 などで行われます

 顎関節症のはなし その2 症状はさまざま で触れたように、顎関節に関わりのある筋肉、
靭帯(すじ)は広範囲にわたっています。その中でも特に症状がでることが多い頭部、頚部、
肩部の筋肉、靭帯などに痛みがないかどうか触診などで調べます。
「痛み」ではなく「凝り」として現われている場合も多いです。

かみ合わせの状態が顎関節に負担をかけて症状が現われることがあります
ので詳しく診査します。
お口の中を直接拝見しただけでは判りにくいので、歯形をとって研究用模型
(スタディモデル)を製作して調べる場合が多くなっています。
顎関節症の検査は通常の歯科の検査、治療とは少し趣を異にしますが、
それだけ複雑な要因が絡み合って症状が現われていますので様々な
角度からの診査が必要になるわけです。