
「顎関節症」という言葉が一般的になりつつあります。お聞きになったことがある方も多いでしょう。これはいったいどういう病気なのか、今月からお話していきます。まずは「顎関節」についてです。

「がくかんせつ」とよみます。文字どおり「あごの関節」のことです。首より上の部分にあるただ一ヶ所の関節がこの顎関節で、耳のすぐ前方に指を当てて口を開けると骨の突起が斜め下へ動くのがわかります。


顎関節の骨と骨の間には「関節円板」と呼ばれる軟骨のようなクッションがはさまっています。このクッションと骨の形のおかげで、ヒトの顎関節は大変複雑な動き(歯でかみ切る、すりつぶすなど)が同時に可能です。上下のあごには歯があって、顎関節の動きに影響を及ぼしています
顎関節が複雑な運動をするために、関節円板と骨は協調して広範囲に動いています。他の関節でいうと「脱臼している」という状態が顎関節では正常なのです。これはヒト以外ではあまりみられません。因みにイヌの顎関節は単純にちょうつがいの様に開閉するだけです。
関節円板の位置が左右や前後にずれると、関節から音がしたり、お口を開きづらくなったり、痛みが出たりします。
さらに顎関節は円板と骨以外にも周囲の多数の筋肉、靭帯(すじ)、神経、血管と関連しています。顎関節症で首や肩、時には全身に凝りや不快な症状がでるのはこのためです。