現在の歯科治療に麻酔は不可欠です。殆どの患者さんが経験されていることと思います。口腔外科
(口の中やその周辺の腫瘍などの治療を専門にする歯科の一分野)の手術などでは全身麻酔も使わ
れますが、通常の歯科治療では必要な部分だけの麻酔(局所麻酔)が一般的です。今月は局所麻酔
の種類と、麻酔したときの注意点などをお話します。
主な麻酔方法には表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔があります。最も多用されるのは浸潤麻酔です。
表面麻酔…歯肉の表面に液状、あるいはジェル状の麻酔薬を
塗布して麻酔する方法。麻酔の範囲はごく限られ、これだけで可能
な治療は少ないです。
浸潤麻酔の注射針を刺す場所の感覚を鈍らせるのには有効です。
浸潤麻酔(しんじゅんますい)…注射を使って歯肉に麻酔薬を注入
すると、歯を支えている骨(歯槽骨)の中に浸透していき、やがて根の
先から歯の中に入り込む神経を麻酔して歯の痛みを感じなくなります。
通常の歯科治療の大部分はこの麻酔が使われます。この時使われ
る注射針は、一般の筋肉注射などに使われるものの半分程度の太さで、
針を刺す痛みは最小限に抑えられています。
伝達麻酔…神経の元に麻酔薬を入れて、広い範囲を同時に麻酔
する方法。多数の歯を同時に治療する場合や、親知らずの抜歯など
に多く使われます。
効きめの持続時間も長く、下あごの片側が丸ごと麻酔される感じです。


 歯科治療で使われる麻酔薬のほとんどがカートリッジ式で、左のような
専用注射器(ステンレス製、使用毎に高圧蒸気滅菌)を使って麻酔します。
カートリッジ入りの麻酔薬や注射針は無菌状態のものを使い捨てで使用
しますので非常に清潔です。


上から注射器、注射針、麻酔薬
 治療が済んだあともマスイは30分〜1時間くらい効いている場合が多いです。その間はくちびるや
口の中の感覚が麻痺していますので、口が閉まらないのでうがい出来なかったり、喋りにくかったり
する場合があります。
 また不用意に食事をすると舌や頬の肉を噛んでしまったり、熱い飲み物を飲んでやけどしたりする
場合もありますので注意しましょう。「これからご飯の支度なんだけど」という場合は味付けに注意する
必要がありそうです。
    
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